医学的絶食療法(断食・ファースティング)は意外と楽
次のリストは、医学的絶食療法(断食・ファースティング)経験者の感想です。意外と、楽なことが分かります。
空腹感は全く感じなかった
10.8%
空腹感はほとんど感じなかった
38.4%
空腹感は少し感じた
31.8%
空腹感はかなり感じた
17.1%
空腹感は非常に感じた
3.9%
全くつらくなかった
27.3%
ほとんどつらくなかった
31.3%
少しつらかった
30.7%
かなりつらかった
8.5%
非常につらかった
2.2%
これには、科学的な根拠があるのです。
下の表(Cahill,G.F. NewEngl.J.Med.282:668-675,1970より)を見て下さい。
標準体重で70kgの人のエネルギーの貯臓は、ブドウ糖やグリコーゲンという糖分で840kcal、蛋白質では2万4千 kcal、脂肪では13万5千 kcalで、合計して実に約16万 kcalにもなります。
一日に必要とするエネルギーは人により異なりますが、2千 kcalとして計算すると、糖分では約半日分、蛋白質は12日分、脂肪は67.5日分で合計80日分にもなります。
肥満の人では、この上に余分の脂肪が10kgあれば、さらに30日分、20kgあれば実に60日分の蓄えを身につけていることになるからです。
絶食状態になると、最初にブドウ糖やグリコーゲンが消費されますが、これは、半日分しかありません。少し低血糖状態になり、空腹感で辛い思いをすることになります。日常生活で、1食2食抜いた時に経験する空腹のつらさは、この状態です。
ですから、皆さんは、それ以上絶食が続いたら、どれほど苦しくなるのかと不安に思われるでしょうが、実は、それ以降は、一部は蛋白質と大部分は大量にある脂肪を消費して生きていくので、空腹感やつらさは、ほとんどないのです。
しかも、健康道場では、最初の低血糖の症状も殆どの人では見られません。
さらに、身体の代謝が安定する3日目ぐらいからは、爽快感が訪れます。実は、この爽快感こそ、断食(ファースティング)の醍醐味なのです。
人類はもちろん、動物の歴史は、長い長い飢餓の歴史でした。ところが飽食の時代は初めてなので適応能力がなく、肥満になり、生活習慣病が多発します。しかし、飢餓に対しては、人類も動物も非常に強い適応能力を持っています。